お金を借り入れる場合、融資をする条件として連帯保証人が必要となるケースがあります。お金を借りようとしている人の状況によって変わるのですが、この連帯保証人という制度は非常に厄介なものです。
連帯保証人を用意しなければならないのは、
- 借り入れ金額が高額
- 他社からも借り入れがある
- 借入額が担保の評価額を上回っている
これらに該当するような場合、貸す側としては連帯保証人を用意させることを条件として融資を実行します。
このように、貸金業者は連帯保証人を立てることによって、確実に貸したお金を回収するための保険を準備して、貸し倒れという事態を未然に防いでいます。
では、この『連帯保証人』とは、一体どういったものなのでしょうか?
連帯保証とは、債務の全てを連帯して保証する責任があり、抗弁権を行使することができない、という非常に重大な義務を負っています。
上記の図を見ても分かるかと思いますが、連帯保証人というのは、債務者と全く同じ立場ということになります。
つまり、債権者側からすれば、より回収しやすい方から取り立てることができるので、たとえ実際にお金を借りていなくても、連帯保証人となってしまった場合は、請求されれば支払う義務が生じることになってしまいます。
自己破産する債務者の中には連帯保証人が多数
自己破産などの債務整理をしている人の中で、約25%もの方が連帯保証人となって、第三者の借金を肩代わりする形となってしまった人です。
実際に、連帯保証人になってしまっている人は年々増加しており、今後さらに増えていくと予想されています。
一体なぜ、このような連帯保証人といったリスクの高いものを引き受けてしまう人が後を絶たないのでしょうか?
連帯保証人となることを承諾する理由として、
- 仲の良い友人などから頼まれ断りきれない
- 借入額の10%前後を謝礼として受け取る
こういったことが、連帯保証人の欄に署名捺印してしまうことの原因として多いようです。
誰しも、古い付き合いで信頼もしている友人から頼み込まれれば、無下に断ることは出来ないものであり、不安に思いつつも、困っている友人を助けたいと思ってしまうものです。
ですが結果的に、自分が借りてもいないお金を返済しなければならない事態に陥った場合、自分が被るものはお金だけではなく、家族にも大きな傷を残してしまいます。
最悪の場合は、自殺といった取り返しのつかないことにもなりかねません。
義理人情や目先の現金のために、非常にリスクの高い連帯保証人となってしまうことは、その後の人生を詰んでしまう可能性を大いに秘めているということを認識して頂きたいと思います。
連帯保証人を頼まれてしまった場合の対処法は?
友人や知人、親戚などから「連帯保証人になってくれ」と頼まれた場合、どうするべきか?
とにかく、その人との関係が終わってしまう結果となっても、断固として拒否することが最も重要なことと言えます。
とはいえ、やはり出来ることなら、なるべく角を立てないように柔らかく断りたい、と思ってしまうことも当然なので、以下にお勧めの断り方を例えとして挙げてみます。
- 過去に債務整理したことがあって、保証人にはなれないんだよ。
- 昔、父親が知人の保証人になって、大変な目にあったんだ。家族をあんな目にあわせたくないから、ごめんな。
- 実は、別件で保証人になってるんだ。だから君の保証人にはなれないんだ。ごめん。
上記のような断り方をすれば、相手も無理を言っている以上、角が立つことなく断わることができるかもしれません。
それで去っていくような人であれば、しょせんはそこまでの仲と言えるので、リスクを背負ってまで続ける関係ではないと言えるはずです。
さらに言えば、連帯保証人になることを断ることによって、それが返ってその人の為になることもあるので、第三者の借金を背負うことは、可能な限り避けることが賢明です。
日本特有の制度である『連帯保証人』というシステム。
ある意味では、この制度によって必要な資金を手に入れることができ、その後立ち直った方がいるのも事実ですが、反面、他人の借金を背負わされ、命を落とす方がいるのも事実です。
この連帯保証人という制度を見直すことによって、身の丈以上の借金を抱えるような事態を避けることができるはずです。
そして、他人の債務を保証するという、全く筋の通らないことも無くなります。
連帯保証人という制度、これは早急に見直しをするべきであり、法改正に向けての議論を必要としていると思います。
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