ヤミ金と聞いて『高金利』『脅迫』『暴力』などのキーワードが浮かぶ方は、決して少なくないと思います。現代でこそ、貸金業法や利息制限法によって、債務者を守るためのルールが設けられていますが、過去に遡ると、当然のことですが、そのようなルールは存在していませんでした。
つまりは、貸し手側の裁量によって全てが決められていて、借りる側は、どんなに無茶な条件であったとしても、お金を借りるためには承知するしかありません。
高金利・執拗な取り立てなどは当たり前、返済ができないとなると、眠る間も無いほどの強制労働を課すようなことが、平然と行われていました。
さらに、女房や娘がいる場合、女郎として売り飛ばされてしまうといった取り立てが、当然の如く行われていたことも事実です。
これは正に、ヤミ金融そのものと言えるでしょう。
現代では、利息や取り立てなどを、国が法律でしっかりと規制しており、キャッシングというものを気軽に利用できるようになっています。
ですが、これら金貸しの大元を辿っていけば、全てがルール無用のヤミ金だったことに気付くかと思います。
ヤミ金に手を出してしまう典型的なパターンとは
きちんと返済計画を企てて、銀行や消費者金融のキャッシングを利用しているうちは全く問題ありません。
問題は、返済計画を疎かにして、返済遅延や滞納を繰り返すような状態になった場合です。
このような状態になってしまうと、個人信用情報に金融事故の履歴が残ってしまい、本当にお金が必要になったときに借り入れが出来ない状況に陥ってしまいます。
正規の登録業者から借りれなくなると、多少無茶な条件でも借り入れができる業者を探すことになります。
普通の状態であれば、上記のような広告に連絡を入れるなど決して無いのですが、人間は追い詰められると、危ないと分かりつつも手を出してしまいます。
特に『090金融』などは、街の電信柱などに貼り付けられていて、お金に困っている状態の人は、このような広告が嫌でも目に入ります。
1度、ヤミ金に手を出してしまうと、金利が高いこともあり、当然のことながら返済が不可能となってしまいます。
そうなると、別のヤミ金から借り入れをして返済する、といったことを繰り返してしまい、脱出不可能な蟻地獄に陥ることとなります。
ヤミ金の手口と儲けのカラクリとは?
ヤミ金業者の主なターゲットは、多重債務などが原因でブラックとなっている人です。
要するに、資金繰りに困っているが、正規の登録金融業者から借りることができない状態の人に対して、比較的に小口の金額(5万円~50万円程度)を高金利で融資します。
多重債務などで、正規業者から借りることができない人にとって、この融資は一瞬の安息をもたらしますが、この後、息つく間もなく生き地獄へと陥ります。
元々、返済不可能とも言えるような高金利が条件の融資なので、当然のことながら、利息の支払いだけで限界となってしまい、元金は一向に減ることがありません。
どれだけ長くても2ヶ月も経たないうちに、利息だけで借り入れした元金分を超えてしまうので、あとは延々と減ることのない借金を背負うことになります。
しかし一般的に考えて、このような相手に融資してお金を取り立てることは可能なのか、という疑問が出てきます。
ですがヤミ金業者は、財産などが無くても確実に回収する方法を知っており、様々な手段を用いて、債務者の骨の髄までしゃぶり尽くしてしまいます。
その手段の一つが、他の金融業者を紹介することです。
他に借り入れできる業者を紹介することで、利息をきっちりと回収して、基本的な利益は確保します。
さらに、借り入れ金額の何割かを紹介料として徴収し、プラスαの儲けまでも得て、債務者を食い物にしていきます。
ヤミ金へ優先的に返済してしまう理由とは
ヤミ金でお金を借りてしまった人も、当然ですが最初は正規の金融業者からキャッシングしています。
正規の登録業者から借りることができなくなって、目先の現金欲しさに、やむを得ずヤミ金から借りてしまう、といった流れが多数と言えます。
つまりは、正規の登録金融業者へも返済していかなければならないのですが、ヤミ金に手を出した人達は、例外なく優先的にヤミ金業者へ返済していきます。
一体なぜ、ヤミ金へ優先的に返済するのでしょうか?
正規の登録金融業者の場合、貸金業法などに則って運営しているので、返済が滞ったとしても無茶な取り立てをすることはありません。
たとえ1ヶ月・2ヶ月 返済が遅れたとしても、即全額回収されるような事態にはならないのです。
しかし、非登録業者であるヤミ金には、貸金業法も利息制限法も関係なく、1日でも返済が遅れようものなら、鬼のような取り立て地獄が始まります。
その手口としては、
- 昼夜問わず催促の電話
- 自宅や職場に乗り込んでの取り立て
- 債務者宅へのピザや寿司の架空注文
このようなことを繰り返したり、もっとひどい場合には、殴る蹴るなどの暴力による追い込みに及ぶこともあります。
取り立てにこれだけの差があれば、通常の人間の心理として、過激で過酷な回収をしてくる業者への返済を最優先してしまうことは、至極当然のことだと言えます。
しかし、いくら返済しても一向に借金が減ることはなく、50前後のヤミ金業者をたらい回しにされ、最終的には破産に追い込まれてしまう、といったケースが大半となっています。
このようなヤミ金の被害に遭わないためには、目先の現金欲しさに、一時しのぎでヤミ金などに手を出さないことが何よりも重要です。
そしてもし、ヤミ金から借りてしまっている場合、借金問題の専門家である弁護士・司法書士などに相談して頂きたいと思います。
「弁護士や司法書士は抵抗がある」という方もいると思いますが、そういう方は、警察や消費者相談センターなどでも、話しを聞いてもらうことができます。
間違っても、自分だけで解決しようなどという考えは、絶対に避けなければいけません。
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