前記事『意外と知らない?キャッシング利用者が払っている利息の金額!』では、利息を安くする手段の1つとして『繰上返済』を、具体的に数字を挙げて解説しました。利息を安く抑えて節約することで、多重債務に陥るリスクを回避して、キャッシングをより便利に利用することができます。
この記事では、繰上返済と同じように、さらに別の簡単に実践できる手段を解説していきたいと思います。
その手段とは、『増額返済』というものです。
では、増額返済とはどういった方法なのか、具体的に数字を挙げて解説していこうと思いますが、その前にもう一度、利息の計算式を振り返ってみましょう。
借り入れ金額(元金)×年間利率÷365×1ヵ月の日数
この計算式を元に、増額返済の解説に入りたいと思います。
具体的な利息の計算方法
借り入れ条件は前記事と同様、借入金100,000円、年間利率20%、月々の返済額10,000円、という設定にします。
(1ヶ月の日数は31日とする)
まずは、通常の返済を以下で表にしてみます(小数点以下は切り捨て)。
返済元金 | 支払利息 | 支払残高 | |
---|---|---|---|
第1回支払 | ¥8,302- | ¥1,698- | ¥91,698- |
利息計算式 | 100,000×20%÷365×31=1,698 | ||
第2回支払 | ¥8,443- | ¥1,557- | ¥83,255- |
利息計算式 | 91,698×20%÷365×31=1,557 | ||
第3回支払 | ¥8,586- | ¥1,414- | ¥74,669- |
利息計算式 | 83,255×20%÷365×31=1,414 | ||
第4回支払 | ¥8,732- | ¥1,268- | ¥65,937- |
利息計算式 | 74,669×20%÷365×31=1,268 | ||
第5回支払 | ¥8,880- | ¥1,120- | ¥57,057- |
利息計算式 | 65,937×20%÷365×31=1,120 | ||
第6回支払 | ¥9,031- | ¥969- | ¥48,026- |
利息計算式 | 57,057×20%÷365×31=969 | ||
第7回支払 | ¥9,185- | ¥815- | ¥38,841- |
利息計算式 | 48,026×20%÷365×31=815 | ||
第8回支払 | ¥9,341- | ¥659- | ¥29,500- |
利息計算式 | 38,841×20%÷365×31=659 | ||
第9回支払 | ¥9,499- | ¥501- | ¥20,001- |
利息計算式 | 29,500×20%÷365×31=501 | ||
第10回支払 | ¥9,661- | ¥339- | ¥10,340- |
利息計算式 | 20,001×20%÷365×31=339 | ||
第11回支払 | ¥9,825- | ¥175- | ¥515- |
利息計算式 | 10,340×20%÷365×31=175 | ||
第12回支払 | ¥507- | ¥8- | ¥0- |
利息計算式 | 515×20%÷365×31=8 |
上記の表で分かるとおり、通常の支払い方法で返済していくと、返済期間12ヶ月、支払利息の合計は10,523円となります。
この支払い金額を、増額返済という手段を用いて、返済回数と支払利息を減らしていきたいと思います。
キャッシングのリスクを軽減する増額返済とは
では、通常返済と同条件で『増額返済』という手段と使うと、どのような変化が起きるのか?
通常返済と異なるところは、3回目と7回目の返済金額であり、特に4回目以降の支払利息の変化に注目して頂きたいと思います。
それらを踏まえて、以下の表で通常返済と比べてみることにしましょう(小数点以下は切り捨て)。
返済元金 | 支払利息 | 支払残高 | |
---|---|---|---|
第1回支払 | ¥8,302- | ¥1,698- | ¥91,698- |
利息計算式 | 100,000×20%÷365×31=1,698 | ||
第2回支払 | ¥8,443- | ¥1,557- | ¥83,255- |
利息計算式 | 91,698×20%÷365×31=1,557 | ||
第3回支払 | ¥18,586- | ¥1,414- | ¥64,669- |
利息計算式 | 83,255×20%÷365×31=1,414 | ||
第4回支払 | ¥8,902- | ¥1,098- | ¥55,767- |
利息計算式 | 64,669×20%÷365×31=1,098 | ||
第5回支払 | ¥9,053- | ¥947- | ¥46,714- |
利息計算式 | 55,767×20%÷365×31=947 | ||
第6回支払 | ¥9,207- | ¥793- | ¥37,507- |
利息計算式 | 46,714×20%÷365×31=793 | ||
第7回支払 | ¥14,363- | ¥637- | ¥23,144- |
利息計算式 | 37,507×20%÷365×31=637 | ||
第8回支払 | ¥9,607- | ¥393- | ¥13,537- |
利息計算式 | 23,144×20%÷365×31=393 | ||
第9回支払 | ¥9,771- | ¥229- | ¥3,766- |
利息計算式 | 13,537×20%÷365×31=229 | ||
第10回支払 | ¥3,703- | ¥63- | ¥0- |
利息計算式 | 3,776×20%÷365×31=63 |
上記の表が、増額返済という手段を使った支払い金額となります。
この表で注目すべき点は、第3回支払で20,000円の返済、第7回支払で15,000円の返済をしているところです。
増額返済での利息支払い合計額は8,829円。
通常返済での利息合計額は10,523円なので、その差額は1,694円。
つまり、月々の支払額よりも多く返済することで元金が減ることとなり、その後に払っていく利息も自然と減っていくということです。
さらに増額返済することで、返済期間が短くなり、キャッシングのリスクはかなり軽減されることになります。
今回は、具体例として”20,000円” ”15,000円”といった分かりやすい金額を増額しましたが、この金額は、たとえ1,000円でも返済金額を増額することで違いが出てきます。
このように、キャッシングを利用している間は、もし余裕のある月の場合、遊興費などに使うのではなく、返済額を増額するように心掛けて頂きたいと思います。
組合わせることでさらにキャッシングのリスクを軽減
前記事で繰上返済、今回の記事で増額返済を解説してきましたが、この2つを組み合わせる事によって、更に利息を安くすることが可能です。
つまり、増額したり繰り上げたりすることによって、返済のリスクはかなり軽減されることとなります。
借り入れ条件は同様とし、以下に繰上返済・増額返済を組合わせた返済計画の一例を挙げてみたいと思います。
(小数点以下は切り捨て)
返済元金 | 支払利息 | 支払残高 | |
---|---|---|---|
第1回支払 | ¥8,302- | ¥1,698- | ¥91,698- |
利息計算式 | 100,000×20%÷365×31=1,698 | ||
第2回支払 | ¥8,443- | ¥1,557- | ¥83,255- |
利息計算式 | 91,698×20%÷365×31=1,557 | ||
第3回支払 | ¥8,632- | ¥1,368- | ¥74,623- |
利息計算式 | 83,255×20%÷365×30=1,368 | ||
第4回支払 | ¥8,733- | ¥1,267- | ¥65,890- |
利息計算式 | 74,623×20%÷365×31=1,267 | ||
第5回支払 | ¥8,917- | ¥1,083- | ¥56,973- |
利息計算式 | 65,890×20%÷365×30=1,083 | ||
第6回支払 | ¥9,033- | ¥967- | ¥47,940- |
利息計算式 | 56,973×20%÷365×31=967 | ||
第7回支払 | ¥14,186- | ¥814- | ¥33,754- |
利息計算式 | 47,940×20%÷365×31=815 | ||
第8回支払 | ¥9,427- | ¥573- | ¥24,327- |
利息計算式 | 33,754×20%÷365×31=573 | ||
第9回支払 | ¥14,601- | ¥399- | ¥9,726- |
利息計算式 | 24,327×20%÷365×30=399 | ||
第10回支払 | ¥9,835- | ¥165- | ¥0- |
利息計算式 | 9,726×20%÷365×31=165 |
この表が、繰上返済と増額返済を組合わせた返済プランの一例となります。
利息の支払い合計額は9,892円となり、通常返済で支払う利息よりも632円安くなっています。
繰上返済は、
- 第3回支払
- 第5回支払
- 第9回支払
この3回が1日早く返済している形となります。
一方の増額返済は、
- 第7回支払
- 第9回支払
この2回で実行していて、その支払額を15,000円としています。
第9回目の支払いに至っては、繰上返済と増額返済を同時に実行していて、利息と元金を一気に減らしていることが分かるかと思います。
今回の返済例では、繰上返済の日数を1日繰り上げているだけですが、1日よりも2日、2日よりも3日というように、繰上日数を増やしていけば、それだけ支払う利息を節約することができます。
一方の増額返済に関しても、余裕のある月にできるだけ返済金額を多くすれば、それだけ元金が減ることとなり、その分利息も減っていくことになります。
キャッシングを利用した際のリスクを減らすための方法、そして、多重債務に陥ってしまわないための方法。
それは、繰上返済や増額返済を組合わせることで、支払う利息を少しでも節約し、元金を1円でも早く減らし、返済期間を少しでも短くすることです。
まずは計算式に数字を当て嵌め、自分がいくら利息を支払うのかを計算し、返済計画をしっかりと企てること。
そうすることで、キャッシングをより便利に、そしてより有効に利用できると言えるでしょう。
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