現在では、キャッシングを利用するための審査が、過去に比べて厳しくなっています。しかし、いくら厳しいからといっても、毎月安定した給料があり、年収の３分の１以上の借入が無い場合は、余程のことがない限り審査で落ちるということはありません。
ただ、今も昔も変わらずにある融資の最低条件が『20歳以上の成人』というものです。
これは、ほぼ100％と言っても過言ではないほどの貸金業者が定めている規定になります。
では何故、未成年はダメなのか？
まずは、未成年がお金を借りれない理由を、以下に説明していきたいと思います。
働いているのに借りれない！？ これって差別じゃないの？
お金を借りた場合、きちんと返済していく能力があることが、融資を受ける最低条件と言えます。
つまり、「毎月一定の給料が入ってくる状態であれば、未成年であってもキャッシングする権利はあるはずだ」という考えは間違いではありません。
ですが、貸金業者の側の考えとしては、『いくら社会人で安定した収入があっても、未成年に融資することは難しい』ということになります。
これは単なる嫌がらせということではなく、そこには明確な理由があります。
- 責任能力が無い
- 10代への融資はリスクが大きい
上記の２点が主だった理由となります。
しかし、「どうしてもお金を借りる必要があるんだ！」という未成年の方も決して少なくはないでしょう。
こんな理由では、若いというだけで拒否されているような、人によっては社会から差別を受けている、と誤解してしまう方もいるかと思います。
そこで、未成年がお金を借りれない上記2つの理由を、さらに深く掘り下げて説明していきます。
お金を借りたいと思っている未成年の方、以下の解説を読んで誤解を解消し、お金を借りるという行為の意味をじっくりと考えるきっかけにして頂ければ幸いです。
責任能力とは何なのか？ 融資を受けるためには最低必須条件がある！
未成年者に融資を実行することが難しい理由の一つとして『責任能力』を挙げましたが、この責任能力の意味は次のようになります。
＊ 行為者が自己の行為の法律上の責任を弁別しうる能力
つまり分かりやすく要約すると『失敗・損失などが発生した場合に、その原因が本人にあれば、その失敗や損失を補填する責任を果たすことができるのか』ということです。法律上、未成年者には責任を果たすことはできないとされており、原則として保護者(親など)がその義務を負うことになっています。
キャッシングなどの、お金を借りるという行為を例にするならば、『未成年者がキャッシングを利用して返済ができない状態になっても借りた当人には責任能力が無い』ということになり、お金を貸した側は損害賠償請求ができないことになります。
もっと単純明快な言葉で言ってしまえば、『未成年者はお金を借りても返済する義務が生じない』ということになるんです。
このような相手から借り入れの申し込みがあった場合、仮に一定の収入があったとしても、きちんと返済してくれると判断するはずはありません。
つまり、このような理由から、キャッシング等を利用するためには『20歳以上』ということが最低必須条件ということになります。
未成年者にお金を貸さないというのは、最も危険なリスクを回避する貸金業者の防衛手段として、当然のことだと言えるでしょうね。
10代への融資にリスクが大きいのは何故？ 融資審査では不利な若年層！
若さというは、それだけで大きな武器となり、将来の選択肢も多くなります。
しかし、特殊な世界を除き、一般社会では『若すぎる』ということは、逆に不利な立場となってしまう場合があります。
キャッシング等の、お金を借りるという行為については、ことさら若年層というのは評価が非常に低くなってしまうものなんです。
若年層(特に未成年者)の評価が低い主な理由としては、
- 今勤めている会社で長続きするかどうか分からない
- 働き出して期間が短いので給与が低い
- リストラの対象となる可能性が高い
上記のようなものが挙げられます。
同じ若年層でも、20代の後半ともなってくれば、金融機関の評価は少しずつ高くなってきます。
ですが若年層、特に未成年者ということになれば、前述の責任能力のことも重なってくるので、審査する側とすれば、評価を上げることは非常に難しいことと言えるでしょう。
では、金融機関は何歳くらいから評価を上げてくるのでしょうか？
一概には言えませんが、平均的に見て30歳代～40歳代の方が、高い評価を得ているようです。
この年代になれば、会社での立場や収入の面でも安定している方が多く『住宅ローンなどの高額な融資でも、安定して返済してくれる』という評価に繋がっているのが現状です。
個人が信用を得るためには、それなりの期間が必要になってくる、ということだと言えます。
やっぱり未成年者は借りれない？ しかし原則には必ず例外が存在する！
前項までの説明で、未成年者がキャッシング等のお金を借りるという行為をするのは、非常に困難だということが分かったかと思います。
しかし、これまでの解説はあくまでも原則であり、原則には必ず例外というものがあることも事実です。
では、その例外というのはどういった場合を指すのでしょうか？
- 婚姻している場合
- 保護者の同意を得ている場合
上記の２つが例外ということになります。
結婚している場合、未成年者であっても民法上では成人していると看做され、無制限ではありませんが、自己の責任においての法律行為が許されています。
キャッシング等の金銭消費貸借についても同じで、年齢的に未成年であっても、自己の判断で行うことが可能となります。
また、保護者の同意を得ている場合も同様なのですが、この場合は、保護者(親など)が責任を負うという形になり、いわゆる連帯保証人になっていることと同じ意味と言えますね。
本人の責任能力は皆無であると言うことができます。
例外であっても融資可・融資不可を決めるのは業者の判断
お金を貸すか貸さないかを決めるのは、年齢だけではありません。
前項のように、年齢的な問題をクリアしたとしても、融資の実行には他の判断材料も含めて審査しています。
例えば、
- 職業
- 勤続年数
- 年収
これらも主な判断材料となるので、年齢面だけをクリアしても、未成年者の場合は融資を受けることができない場合も多々あります。
特に①と②に関しては非常に重要な要素となっており、融資の可否だけではなく融資金額にも影響が出てきます。
年齢的な問題のクリアは、あくまでも『融資に申し込むことができる条件』ということなので、早合点しないよう気を付けて頂きたいと思います。
『未成年でも融資可能』という業者には要注意？ 非合法業者の可能性大！
各金融業者には、様々な申し込み条件が定められています。
主だったものを挙げると、
定職のある方
一定の収入のある方
定まった住所のある方
こういったものが借り入れの主たる条件となっています。
しかし上記以外で最も重要な要件が『20歳以上の方』であり、まともな金融業者であれば、これは申し込み要件として必ず定められています。
もし『未成年者でも融資ＯＫ』などと謳っている金融業者を見つけた場合、絶対に申し込んだりしないで頂きたいのです。
こういった業者は、まず100％ヤミ金業者である、といっても過言ではありません。
ヤミ金業者は、法律の規制に捕われない営業なので、借りたら最後、地獄を見ることになるでしょう。
キャッシングを利用したいと思っている未成年の方は、『未成年者でも融資可能』などといった甘い謳い文句に釣られないように注意する必要があります。
どうしても、今借りる必要がある、という方であれば、ダメで元々といった感覚で、銀行・大手消費者金融・中堅の消費者金融など、きちんと営業許可を得ている業者に相談するようにして下さい。
条件さえ整えば、融資を受けることも不可能ではありません。
間違っても、登録番号の無いような業者に手を出すことだけは、決してしないようにして頂きたいと思います。
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