人間だけが持つ能力~言語とは~

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人間の言語能力

人間の社会には、他の生物にはない際立った特長があります。その特徴とは、あらゆる情報(高度な知識や文化・伝統など)が、人から人、あるいは世代を超えて伝わっていくという点です。

さらに、伝わっていく過程で、新たな情報やアイディアが加えられていき、多様な形に変化しました。

そこには、大きな役割を果たしている学習する能力が非常に長けていることにあります。

たとえば、人間の子供が年長者の言動を真似したり、教わったりすることで、社会で生きていくために必要な多くのことを学び、それらの伝統を受け継いでいきます。

また、他の人と共同作業をすることによって、新しい技術や知識、他人との関わり方などを学んで自分のものにしていきます。

これらを学習するために、大きな役割を担っている重要なものが言語(言葉)です。

 

言語があるからこそ人類は発展した

この言語というものが無かったとすれば、人類が、今あるような高度で複雑な社会を生み出すことはなかったと言えます。

著名な言語学者であるスティーブン・ピンカー(ハーバード大学教授)は、以下のように言語の重要性を述べています。

共通の言語があってはじめて、共同体の成員は情報を交換し、協力し合って膨大な力を発揮することができる。だからこそ「ホモサビエンス」は藍藻植物やミミズにも負けないほど大きな変化を地球という星にもたらせたのだ

(『言語を生み出す本能(上)』椋田直子・訳)

 

人類の強さが地球に大きな変化を与えた

上記の言葉の中で出てくる藍藻植物というのは、今から27億年ほど前に誕生したシアノバクテリアのことを言います。

シアノバクテリアは、数億年をいう途轍もなく長い年月をかけて、地球の大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出すことで、今現在の大気の構成をつくり出した立役者です。

一方のミミズも、長い年月を経て地上の岩盤を砕いて、土壌を生み出した立役者となります。

ピンカー教授は、藍藻植物やミミズに匹敵するほどの影響を地球上に及ぼしものは、人間が当たり前のように使っている言語だ、と主張しています。

もしも言語というものが無ければ、現在のような科学や技術の進歩は有り得なかったということは、誰の目にも明らかだと言えますね。

では、私たち人類の進化に非常に大きな影響を持つ言語についての更なる詳細を、人間が持つ特殊能力~言語の歴史~で解説してみたいと思います。

 


 



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